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e)合掌造り家屋の成立時期

 以上のような特色を持った合掌造り家屋がいつ頃成立したかは、既に多くの家屋が消失してしまっていて、残存する家屋数が非常に少ないことと、残された家屋についても建築年代を知る史料がほとんど発見されていないことから、正確に考察することは困難である。しかし、現存する家屋では、その伝承と建築技法などにより17世紀末頃の建築と推定されるものが最も古く遡り得るものであり、また、古い平面形態を示しているので、この頃、合掌造り家屋の原型が成立し、その後、塩硝生産や養蚕が盛んになる18世紀中期から19世紀中期にかけて、規模が大きくなり、小屋裏の利用が進展したものと推測される。

JAPAN:SHIRAKAWA-GO/GOKAYAMA


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