菊造腰刀〈刀身無銘伝当麻/〉
きくづくりこしがたな〈とうしんむめいでんたいま〉
工芸品 / 鎌倉
- 山口県
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鎌倉
- 合口造り、肉合薄手によく締まり、柄、鞘ともに金梨子で、柄には赤銅魚々子地に枝菊を高彫りにし、銀色絵、銀小縁の筒金入り縁頭、小柄、笄、鐺は同作で、目貫の菊花のみ後補。
中身は、冠落造、無反り、重ねの厚い姿である。鍛は柾目よく通り、地沸よくつき、地景入り、刃文は広直、砂流ししきりにかかり、ところどころ沸荒く崩れ、帽子は乱れ込み、尖りごころに深く返り、掃きかけつよく、表裏に薙刀樋に沃樋をやや深く刻し、角留となる。茎は生ぶ。先入山形、元来無銘で勝手下がりの鑢目がつく。
- 総長40.9 中身長26.5 元幅2.6 (㎝)
- 1口
- 毛利博物館 山口県防府市多々良1-15-1
- 重文指定年月日:19330123
国宝指定年月日:19520329
登録年月日:
- 公益財団法人防府毛利報公会
- 国宝・重要文化財(美術品)
鎌倉時代末の作とみられ、中世の軍記物などに散見する筒金入りの腰刀がこれにあたる。遺品が少なく、現存するこの種のもののうちで優品である。また、中身は、大和物に多い冠落造り、鍛えが柾目、沸出来の直刃を焼く。当麻作と伝えられ、鎌倉時代末期の典型的な大和物で健全である。