絵画 / 室町
本図は古来盛んであった富士信仰に伴う富士山登拝禅定【とうはいぜんじよう】の光景を図絵したもので、広大な構図をよく纒め精緻に描写しており同種の曼荼羅中出色の一本であり、また点景の名所や人物など風俗画の立場からも注目され、近世盛行する参詣曼荼羅の先駆的作例としても重要である。 制作年代は本図中に描かれている浅間本宮が慶長九年(一六〇四)徳川家康による階層建築の大造営以前の状況を示しその下限が知られるが、すやり霞の形式や表現描写に室町時代後期の絵巻や風俗画にみられる手法が窺われる。
紙本著色十界図〈/六曲屏風〉
絹本著色春日宮曼荼羅図
絹本著色両界曼荼羅図