線刻千手観音等鏡像 せんこくせんじゅかんのんとうきょうぞう

工芸品 / 平安

  • 平安
  • 白銅製八稜鏡。鏡面中央に大きく蓮華座上に立つ千手観音像を線刻する。像の左下に苦行仙形の婆藪仙人が右手は弾指の勢、左手に仙杖を持して立ち、右下には天女形の功徳天が侍す。さらにその上方両側に姿態様々に天部像が四躯、鏡の周縁に沿って配されている。鏡背は素円鈕、蒲鉾縁で、宝相華文を鈕孔の左右上下に表し、華文の間周縁よりに胡蝶を配す。鏡背左寄りに造像銘を線刻する。
  • 径13.9 厚0.6 (㎝)
  • 1面
  • 重文指定年月日:19380704
    国宝指定年月日:19531114
    登録年月日:
  • 水神社
  • 国宝・重要文化財(美術品)

直径15㎝にも満たない鏡面に、精緻な蹴彫をもって表した千手観音像の豊麗な面貌、繧げん彩色を思わせる台座など、仏画のような繊細さを表し、線刻鏡像中貴重な作である。
本鏡は、延宝五年に秋田県仙北郡中村三妥谷地で用水開墾工事中に発掘されたもので、土地の人々が祠を建てて堰の神として祀るようになった。一度火を受けたことがあり、鏡背の縁に所々焼けや黒ずみが見られる。

線刻千手観音等鏡像

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