この芸能は、茨城県久慈郡金砂【かなさ】郷村の東西両金砂神社の祭礼(西金砂神社の大祭は七十三年目ごと、小祭は七年目ごと、および東金砂神社は毎年の例祭旧正月三日)に行なわれる神楽の要素の濃い田楽の一種である。
東西の芸態は陰陽につくられており東社では「四方固」「獅子舞」「巫女舞」「乱声」、西社では「四方固」「獅子舞」「種蒔」「高足」の四曲でそれぞれが構成されている。
特に、田楽芸の重要な演目であった「高足」の曲芸的要素を保持している点など、芸能史的にも価値あるものである。また、この芸能は金砂山を道場とした修験の徒の影響が強く、田楽芸として地方的な特色が著しいとともに芸能史的にも貴重なものである。