初代佐賀藩主鍋島勝茂、勝茂室茶々姫(高源院)、勝茂嫡男忠直、勝茂娘長姫(永春院/島原藩主松平忠房に嫁す)、2代佐賀藩主鍋島光茂、3代佐賀藩主鍋島綱茂、綱茂室普与(寂光院)という、江戸前期の佐賀藩主鍋島家の当主や正室、娘ら7名の和歌短冊を貼り交ぜた1幅。
(勝茂公御筆)手折なは心とをしき桜はな かへらむまてはせめてなかめん 勝茂
(勝茂公御室茶々姫様御筆)九月 なからへはまた此湯にもいりやせん 命なりけりいつのこんけむ
(忠直公御筆)八月十五夜 いかてかは名にしあふたる月影のひかり雲間にみえわたるらん 忠直
(勝茂公御姫於長様御筆)なかむとて花にもいたくなれぬれハ 北ちる別れこそかなしかりけり
(光茂公御筆)外面田にすたく蛙のなくなへに 今やさかりの井手の山ふき 光茂
(綱茂公御筆)九重にあらて八重さく山吹の いはぬ色をそしる人もなし
(綱茂公御室普与姫様御筆)雲さえて嶺のはつ雪ふりぬれは 有明の外に月そ残れる