光明寺は,鎌倉時代中期の創建と伝える浄土宗寺院である。江戸時代初期には関東十八檀林に定められ,伽藍を整えたとみられる。
本堂は,棟札より元禄11年(1698)の建立と判明し,棟梁の蔵並木工之助は鎌倉大工である。部分的に改造や変更が行われているが,軸部から小屋組までほぼ当初の形式である。桁行九間,梁間十一間,正面三間向拝付の形式で,鎌倉の近世仏堂のうち最大の規模である。内部は上段式になる内陣と後陣,二重構成になる広大な外陣など,大規模な浄土宗本堂として特色ある構成である。
江戸時代の浄土宗関東十八檀林の中心建築を知る上で,貴重な遺構といえ,また完成度の高い鎌倉大工の作品であることにも価値が認められる。