絵画 / 安土・桃山
本図は桃山時代の画壇に大きな業績をのこした長谷川等伯(天文八年~慶長一五年/一五三九~一六一〇)の筆になる屏風である。右隻に李鉄拐とその師李老君、宛丘先生の一群を描き、左隻には呂洞賓と師の雲房先生とおぼしき二神仙を描く。一見無秩序に見える景物の配列の中に力強い構図を作り上げている。各神仙には精細且つ緊密な描線を用い、自然景の各部には勁直できびきびした鋭い筆線が目立つ中で、潤いのある墨色の味わいも窺える。構図や筆法のみずみずしさをも勘案すれば、等伯の中年末期、六十歳前後の作品であろう。
紙本墨画松竹図屏風 長谷川等伯筆
長谷川等伯
紙本墨画猿猴図屏風 長谷川等伯筆
紙本著色花鳥図〈長谷川信春筆/六曲屏風〉
長谷川信春