工芸品 / 清
琉球鐘はいずれも中国年号を誌しているが、和鐘形式である。現存鐘は十二口であるが、これらは殆んど尚泰久王の景泰七年(一四五六)から尚真王の弘治八年(一四九五)までの三十九年間に鋳造され、この時期は仏教の最盛期であった。円覚寺は王家歴代の香華所で琉球禅林の本山である。作者大和相秀は周防国防府の鋳物師で、この鐘は兵庫県円照寺鐘と同作で作風も近似している。また楼鐘は沖繩最大の鐘で、作者宗味は京都室町に住した出羽大掾宗味である。三口共に琉球史上からも重要な遺品である。
梵鐘(旧円覚寺殿前鐘)
梵鐘(旧円覚寺殿中鐘)
銅鐘(旧首里城正殿鐘)