この芸能は、東京都八丈島八丈町樫立に伝承される風流もので、芸のうち、踊の振りや音楽の面で特殊性を示すものとして、地方的特色の顕著なものである。
八丈島は、昔は流入や漂泊者が各地からその国の芸能をもたらし、また、古来島民は農耕・養蚕にたずさわりつつ盆行事等において独特の芸能要素を発展させ、これらのものが複合して八丈島の芸能を展開させてきた。このうち場踊は、近世初中期に流行した小歌に合わせて踊るもので、江島踊・向いの山・清十郎など十二曲があり、また、手踊は各地の民謡を綴り合わせて踊るもので、あいこ節・伊勢音頭・おけさなど十二曲である。一方、ショメ節・春山節は養蚕の桑摘歌として古来の風を伝え、八丈太鼓に合わせて踊る太鼓節などは民俗音楽としても価値の高いものである。公開は八月十三日から十五日その他。