盆の風流踊の一つで、現在は八月十五日に踊られるばかりでなく、その他に特別の日にも踊られる。古くは神社や寺院の庭で踊られたが、現在は人家の庭などの空地を利用して踊る。
音頭取が立つところを約一メートルぐらいに高くつくり、提灯などを下げる。楽器は大太鼓のみで扇を持つ踊り、手に何も持たない踊りがある。すべて輪踊りである。
最初に村人の身替りになって刑死した義侠中村政吉の霊をなぐさめるためにはじめられたといわれる「まさきち」が踊られ、つづいて「大文字屋」「なんちきどっこい」「豊年踊」「天誅踊」「やくし」「はりやとせ」等々の踊がくり広げられる。
阪本踊は奥吉野地方に伝承される風流踊の代表的なものの一つで、地方的特色を示すものである。