この芸能は、徳島県名西郡石井町石井の曽我氏神社(曽我兄弟の霊を合祀)の夏祭りのおり(旧暦七月二十、二十一日)に行われる稚児の風流踊の一種で、阿波地方に多く分布する神踊と称される芸能の一典型を示すものである。
踊りは音頭取り(大人一人)の唄に合わせて、五歳から十二歳までの男児十数名が締太鼓を打ちながら踊る。芸能次第としては、まず当家で「入葉」「四季」「五色」「煙草」の曲が踊られ、続いて御神前では「入葉」「四季」「五色」「御屋形」「雪華」、踊り場では任意に選柚し、最後に浄土寺では「入葉」「四季」「五色」「鐘鋳」を踊って納める。
芸能はもとより歌謡およびその旋律にも地方的特色が顕著であり、芸能史的にも貴重なものである。