重要無形文化財に指定されている宮内庁のものをはじめ、四天王寺、春日大社など各地の大社寺に伝承されている雅楽は、千数百年の伝統をもつわが国最古の伝統芸能であり、八世紀ころの朝鮮、中国、ベトナム等からの外来楽がここによく面影をとどめていることから世界的にも注目を集めている貴重な楽舞である。
笙、篳篥、竜笛、高麗笛、神楽笛は雅楽には欠かせない管楽器として独特の音色を醸成しているが、現在、これを製作修理する者は非常に少なくなっている。また近年、管用の煤竹が入手し難くなる等の材料不足、あるいは後継者難により、この伝統の技術の維持保存が難しくなっている。