法華経 巻第二・三 ほけきょう かんだい2・3

その他の美術 

  • 平安時代 9世紀
  • 紫紙 金字 銀界(巾1.9㎝) 巻子 (軸)水晶丸軸(後補)
  • 2巻
  • 東明寺(奈良)伝来

 紫色に染めた料紙に銀泥で界線を引き、金泥で経文を書写する。享保2年(1717)に東明寺(大和郡山市矢田)の薬師如来像の体内から発見された経巻である。天平13年(741)に出された聖武天皇の詔により、各国に国分寺・国分寺が建立されたが、同時に国分寺(金光明最勝王護国之寺)の塔には「紫紙金字最勝王経」を、国分尼寺(法華滅罪之寺)には「紫紙金字法華経」を奉納・安置することも命じられていた。本経をこの国分尼寺経とする説もあったが、他の奈良時代の紫紙金字経と比較すると紫紙の色合がやや黒みを帯び、書風も柔らかいことから、平安初期のものと見られる。紫紙金字経は平安時代に入るとあまり制作されなくなる事から、平安時代初期の紫紙金字経の遺例として貴重な存在である。

法華経 巻第二・三

ページトップへ