刀〈金象嵌銘天正十三十二月日江本阿彌磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)〉
かたな〈きんぞうがんめいてんしょうじゅうさんじゅうにがつひごうほんあみすりあげ(かおう)/しょじいなばかんうえもんのじょう(めいぶついなばごう)
工芸品 / 南北朝
-
江
- 山口県
-
南北朝
- 鎬造、庵棟、身幅あり、重ね厚く、鋒延びた姿。鍛えは小板目肌よくつみ、地沸細かに厚く、刃文は小湾れに互の目交じり、足入り、匂深く小沸よくつき、所々に砂流しほつれごころあり。総体に焼幅広く、物打より上は特に焼刃深く大模様に乱れる。帽子はほとんど一枚となり、表裏に横手の線から著しく先が下がって肩の怒った力強い棒樋を掻流す。大磨上の茎に金象嵌銘がある。
- 刃長70.9 反り2.0 元幅2.9 先幅1.9 鋒長4.2 (㎝)
- 1口
- 岩国市横山2-10-27
- 重文指定年月日:19360918
国宝指定年月日:19510609
登録年月日:
- 公益財団法人柏原美術館
- 国宝・重要文化財(美術品)
義弘は、相州正宗十哲の一人で、越中国松倉郷に住み、松倉郷あるいは江(郷の略字という)と呼ばれる。鍛えが細かにつんで精美であり、刃文は明るく冴える。他工に類を見ない特色ある作域と技量は、古来賞美され、かつその彫り物にも時代的特徴が認められる。『埋忠押形』、『享保名物帳』に所載。