旧揖斐川橋梁は、揖斐川の中流域に架かる旧鉄道橋で、東京・京都間の幹線鉄道建設工事の一環として、明治19年12月に竣工した。工事は、内閣鉄道局四等技師長谷川謹介及び六等技手吉田経太郎を中心として進められ、上部構造は、同局雇のイギリス人技術者、ポーナルの設計に基づきイギリスで製作された。
橋長325.1m、下路式の錬鉄製五連トラス桁橋で、わが国で最初に完成した幹線鉄道である東海道線において、最も高度な技術を駆使して建設され、かつ唯一原位置に残る遺構として貴重である。わが国の近代最初期に導入されたイギリス鉄道技術の特色を顕著に表すばかりでなく、明治期に全国で建設された大規模鉄道橋梁の一つの規範を示すものとして、鉄道技術史上、高い価値がある。