歴史資料/書跡・典籍/古文書 その他 / 鎌倉
『和歌色葉』(三巻)は、鎌倉時代初期建久年間(一一九〇~一一九九)に上覚が撰した歌学書で、当時の歌学を集大成したものとして中世歌学史上に重視されている。 この静嘉堂本は、上中下三巻を各本末に分けて書写され、粘葉装冊子本六帖からなっている。書写奥書はないが、書風および書写の体裁などからみて、鎌倉時代中期の写本と認められ、文中には本文書写と程遠からぬ時期に書き込まれたとみられる墨書の校異、朱の注記がある。本帖は鎌倉時代に遡る『和歌色葉』の唯一の古写完本として貴重である。
和歌初学抄〈藤原為家筆/〉
藤原為家
長秋詠藻〈上中下/〉
後拾遺和歌抄〈上下/〉