新唐書の南宋時代刊本として著名なもので全二百二十五巻中、巻第十二~十七、第百五十九~百八十を除く、百八十八巻、九十冊を存する。体裁は袋綴本で、版式は左右双辺、有界、半葉十四行、一行二十五字。版心は白口、魚尾、「唐書本紀『幾』(丁数)(刻工)」を刻し、本文中には南宋の李安詩による朱引、朱句切点、墨書および若干の補写がみえる。目録の首には嘉祐五年六月曽公亮の土表文があって本書が嘉祐刊本系の紹興刊本であることを明らかにしている。本書は同系の足利学校本よりは後印と目されるが、最もまとまった宋版唐書として、一部に南宋建安刊本、或は補写本を交えるが、嘉祐刊本系の面目を伝えて貴重である。