献上博多織 けんじょうはかたおり

工芸技術 染織

  • 指定年月日:20030710
  • 重要無形文化財

献上博多織は、福岡県福岡市を中心とする地域に伝わる帯【おび】地用等絹織物の制作技術である。博多織の基礎が確立したのは、室町時代末ころに帯地を織り出してからとされるが、江戸時代に入って黒田藩がこれを保護し、毎年帯地その他の織物を幕府への献上品としたことにより献上博多の名称が起こった。献上博多織の主な製品である帯は、仏具の独鈷【とっこ】、華皿【はなざら】を図案化した独特の縞文様を、経糸【たていと】の浮文【うきもん】によって織り出したもので、意匠に工夫が凝らされた、和装には欠かせない服飾品の代表的な織物である。
 伝統的な献上博多織の制作技術は、経糸を密にし、緯糸【ぬきいと】を太くして、強く打ち込んで横畝【よこうね】を織り出すところに特色がある。こうして製織されたものは硬く締まってしかもしなやかな地合を特色とし、その格調高く独特の風合いは今なお尊ばれている。

献上博多織 けんじょうはかたおり

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