鷺流狂言 さぎりゅうきょうげん

伝統芸能 能楽

  • 選定年月日:19970527
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財

 鷺流狂言は、江戸時代には、大蔵流、和泉流とともに狂言三流の一つとして隆盛をみていたが、明治維新を機に衰微し明治中期には中央の能楽界から姿を消してしまった。
 藩政時代山口県萩市には、毛利藩お抱えの鷺流狂言師(伝右衛門派)が活躍しており、春日家【しゆんにちけ】の幕末の狂言師春日庄作が明治に入って山口市に居を移し、同三十年に死没するまで野田神社能舞台での能会を中心として山口市で活躍し、多くの門弟を育成した。しかしながら大正以後この山口の鷺流狂言は衰退の一途をたどり、今日では、春日庄作の門弟吉見安太郎の芸脈を伝える伝承者は、小林栄治氏(大正十三年生)唯一人となっており、由緒ある鷺流狂言の芸脈を後世に伝えるため、早急に記録作成等の措置が必要である。

鷺流狂言

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