伝統芸能 音楽
地歌は,地唄とも表記され,室町時代末期頃から始まった三絃(三味線)の流行とともに,職業音楽家によって京阪地方で発達した三味線歌曲であり,17世紀中頃に形式が整えられ,箏曲とも密接に関わって継承されてきた。
その内容は,現在も伝承されている三味線歌曲としては最古のものとされる三味線組歌【くみうた】をはじめ,歌【うた】もの,語【かた】りもの,滑稽な内容の作【さく】もの,器楽的合奏を主とする手事【てごと】ものなど,多種多様で,芸術上特に価値があるばかりでなく,音楽史的にも重要な地位を占めるものである。