渾天儀〈寛文十年酒井忠直奉納/(銅製)〉 こんてんぎ〈かんぶんじゅうねんさかいただなおほうのう/(どうせい)〉

歴史資料/書跡・典籍/古文書 / 江戸

  • 江戸 / 1670
  • 1基
  • 重文指定年月日:19830606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 東照宮
  • 国宝・重要文化財(美術品)

渾天儀は、外側に六合儀を配し、次いで三辰儀、四遊儀を順に内側に置く構造から成り、天経・天緯・赤道・黄道等をあらわす各環を同心に組み合わせ、天の南北両極を通る中心軸の周囲を回転し、日月星辰など天体の運行を観測する儀器である。
 この渾天儀は、小浜藩士石原信由(一六一九~一六九一)が京都の工人に命じて作製し寛文九年(一六六九)十二月、小浜藩主酒井忠直が幕府に献上し、翌寛文十年(一六七〇)二月に日光東照宮に奉納されたものである。
 材質は銅製で、地平環、天経環、天緯環等の各環には金銀象嵌、七宝、蒔絵の技法を施すと共に天経環の如く、表面を銀平象嵌にて等間隔に三百六十五筋に分つなど極めて実用的な性格をも示している。
 渾天儀の遺例は少なく、この渾天儀は伝来、及び作製経緯の明らかな現存遺品中最大のもので、天文学研究上に注目される遺品である。

渾天儀〈寛文十年酒井忠直奉納/(銅製)〉

ページトップへ