下呂の田の神祭 げろのたのかみまつり

民俗 無形民俗文化財

  • 岐阜県
  • 指定年月日:19810121
    保護団体名:下呂の田の神祭保存会
  • 重要無形民俗文化財

 初春の予祝行事である田遊びの芸系【げいけい】を伝えるもので、古代を今に遺して伝承されている。
 二月七日から十三日まで、テテ(神主)だのみ、〆繩ない、踊子決定、試楽などの前行事が行なわれ、十四日正午過ぎから本祭が執行される。この田の神祭の主役になる田口両家(現在は温泉会館)から田の神行列が出発し、森八幡神社の社前の祭場で、「田の神祭となえ詞」を歌いながら田打の作法が行なわれる。中央に大太鼓を据え、踊子が柄鍬餅【えくわもち】を振りかつぎ振り下して大太鼓の面を打つ、いわゆる田遊びの所作である。さらに、踊子は花笠を冠り、ささらをすりながら冬の歌、春の歌、鶯の歌を順次唱和し、鶯の歌の三首目が終わると同時に花笠を懐中にし、片肌をぬいで、田植、稲刈、穂刈、穂摺落【ほすりおと】しなどの所作を演じる。この間、寄進笠を参会者が奪いあう笠奪いがあり、また、型のよく整った獅子舞も演じられる。
 飛騨地方には珍しく古風な田遊びの一種としてよく伝承されており、地方的特色の顕著なものとして価値が高い。

下呂の田の神祭 げろのたのかみまつり

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