吉備津彦神社の御田植祭 きびつひこじんじゃのおたうえまつり

民俗 無形民俗文化財

  • 選択年月日:19791207
    保護団体名:吉備津彦神社御田植祭保存会
    備考:所在地が同一都道府県内のもの(このデータは種別1から移行しています)
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 神社のお田植祭といえば、神田植に執行されるものは別として境内の一隅を田に見立て、張り子の牛を田を掻くといって走りまわらせたり、松の葉などを苗に見立てて植える様をしたり、稲作過程を模擬的に演じて実際の耕作を祈願するというのが一般的であるが、これは異った次第内容を見せる。
 もとは旧暦の六月二十七日、二十八日に行なわれたが、第一日目は御斗代【みとしろ】神事といい夜中に行なわれる。本殿祭の後三束の苗を御羽車【おはぐるま】という御輿風のものに載せて担ぎ、池に設けてある御斗代棚まで運ぶ。そこで棚にある三つの竹筒に苗をさし込む。かつてこれが、誰にも解らぬようにして棚に供えられていたので備前の七不思議の一つとして著名であった。二日目は御旗神事といい、生木綿を打ちかけ、先端の横木に十五本の扇をさした大旗が十七、八本程行列する。コースは神社参集所を出発して池を右まわりに一周し、また神社に戻るというものであるが、池をまわり終え、参道の神橋にさしかかると参詣人が旗に襲いかかり、扇を無理やり奪い去る。持ち帰って田に立てておくと虫がつかぬ、家に祀れば悪疫をまぬがれると信じられている。
 この特異な行事次第も、室町時代の作と考えられる絵巻が残されていて由緒の古さを示し、我が国祭礼行事の一類として広がりを持つ田植祭の本質と変遷を知る上の貴重な資料である。

吉備津彦神社の御田植祭 きびつひこじんじゃのおたうえまつり

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