大鹿歌舞伎 おおしかかぶき

民俗 無形民俗文化財

  • 選定年月日:19961128
    保護団体名:財団法人大鹿歌舞伎保存会
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 大鹿歌舞伎は、大鹿村において伝承されている地芝居で、その起源は近世にまでさかのぼるといわれている。現在は、村内の大河原【おおかわら】地区の大磧【たいせき】神社舞台と鹿塩【かしお】地区の市場【いちば】神社舞台の二か所で年一回ずつ公開されるが、戦前までは村内四地区の持ち回りで公開されていたという。
 伝承演目は、義太夫狂言を主として三〇種ほどあるが、演出や芸態面で中央の歌舞伎には見られない古い形を残しているといわれ、村民の手で長く伝承されたことを示している。また伝承演目の一つである「六千両後日【ろくせんりようごじつ】の文章【ぶんしよう】・重忠館【しげただやかた】の段」は、中央の歌舞伎や他地域の地芝居には見られない大鹿村独特なものといわれ、地芝居特有の狂言として全国的にも貴重な伝承といえる。
 以上のように大鹿歌舞伎は、幕末から近代にかけて全国的に隆盛した地芝居の姿をとどめるものとして芸能史的に貴重であり、地域的特色も顕著である。

大鹿歌舞伎

ページトップへ