広瀬絣 ひろせかすり

工芸技術 染織

  • 選定年月日:19720410
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財

 広瀬絣は、久留米絣と同じく、絣の手括【くく】り、藍染めによる糸染め、投抒【ながひ】の手機【てはた】による織りなど伝統的な技法が守られているが特に「横綜台【よこへだい】」と、絵模様をたてに八倍にひきのばした型紙を使っての絣模様の作り方に、他にみられない特色があり、またそれによって織り上った絣の絵ぎわに独特の風趣をもつものである。
 明治三十年代の最盛期には年産十万反を数えた広瀬絣も、その後大正四年広瀬町の大火により打撃を受け、産地として急速に衰退するに至ったが、その特色ある製作技法は、わが国木綿絣の歴史を知る上に極めて貴重である。広瀬絣の技術者は現在藍染めの天野圭を中心に、他五名が絣括り・織りの伝統的技法を守り、年間約百反を製作している。

広瀬絣

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