石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿 いそのかみじんぐうせっしゃいずもたけおじんじゃはいでん

建造物 宗教建築 / 鎌倉

  • 奈良県
  • 鎌倉後期 / 1300
  • 桁行五間、梁間一間、一重、切妻造、中央通路唐破風造、檜皮葺
  • 1棟
  • 奈良県天理市布留町
  • 重文指定年月日:19160524
    国宝指定年月日:19540320
  • 石上神宮
  • 国宝

石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿 一棟

 この拝殿はもと大字内山の永久寺(現在廃寺)の鎮守住吉神社の拝殿であったもので、大正三年現地に移建された。住吉神社は保延三年(一一三七)の創立といわれ、拝殿については、正安二年(一三〇〇)に現状の規模に改めたという記録がある。
 桁行五間、梁間一間の細長い拝殿で、中央の一間だけ床を張らず、土間として、本殿に至る通路としている。この形式を割拝殿と呼ぶが、この拝殿はその最古の遺例ということができる。方柱、舟肘木、桁と虹梁、小舞裏の疎垂木など、すべて大面取で木割が細い。屋根は緩やかな切妻造で、虹梁上に蟇股をおいて棟木をうける。通路上は蟇股を置いて唐破風造の屋根を前後にのせるが、その破風を軒唐破風とせず、両側の屋根上にのせかけた手法は古様を示していると考えられる。緩い勾配の茨垂木の曲線は流麗である。現存拝殿中重要な遺構であるとともに、意匠の特に優れた作といえる。

【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)

石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿 いそのかみじんぐうせっしゃいずもたけおじんじゃはいでん

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