絵画 / 江戸
本図は款記により、宝暦十三年(一七六三)蕪村(享保元年~天明三年/一七一六~一七八三)四十八歳の年の四月に描かれたものであることがわかる。この年から特に光沢のある絖本を用いた屏風の大作が数多く描かれるようになり、世に屏風講の時代と呼ばれている。この大作の集中的な制作は三、四年続いたものと思われるが、本図はこの屏風講時代のごく初期の作品と推定される。さまざまな様式を集合しつつ大画面に巧みにまとめられた自然景は美しく、藍や代赭を僅かに使った淡彩描法にも蕪村独特の色感が窺える作品である。
紙本淡彩山野行楽図〈与謝蕪村筆/六曲屏風〉
与謝蕪村
紙本金地墨画淡彩紅白梅図〈与謝蕪村筆/四曲屏風〉
紙本淡彩奥の細道図〈与謝蕪村筆/安永八年十月の款記がある〉