三井倶楽部は、三井物産門司支店により、同社の接客、宿泊のための施設として建てられた。戦後の財閥解体のため、国鉄の手にわたり、現在、建物は北九州市の所有である。
建物は接客用の洋風の本館とこの背後に接続するサービス用の和風の附属屋からなっている。本館は木造二階建で、ハーフチンバー形式の派手な意匠になり、内部は一階に応接室、食堂、二階に寝室を配していた。附属屋には厨房や従業員の休息室などがある。
旧門司三井倶楽部は、洋風の本館と和風の附属屋がそろい、建物は全般的に保存状況がよく、本館のマントルピースやドアなどにアールデコ調の意匠がみられるなど、北九州地方における大正期の近代化を示す建物として価値が高い。