この芸能は、千葉県館山市洲崎の洲崎神社の祭りのおり(六月十三日、八月二十から二十二日)に行われるもので、風流小歌踊の系統に属する弥勒踊と鹿島踊とからなっている。
踊りはいずれも音頭取と締太鼓の回りを輪になって踊るもので、弥勒踊では右手に扇子、左手に持つオンベを肩にし、四肢をからませながら豊富な振りと動きをもって踊る。一方、鹿島踊はオンベを足もとに置き、編笠をかぶり、右手に扇子をもつが、動きは少なく単純な所作の繰り返しで踊られる。
芸能伝承の事実についてはつまびらかでないが、弥勒踊・鹿島踊ともに鹿島神仰を根本にした芸能として、民俗的にも芸能史的にも貴重なものである。