工芸品 / 平安
(一)は切刃造【きりはづくり】、(二)・(三)は鋒両刃造【きつさきりようじんづくり】の大刀である。これら三口は通常の大刀に比べて寸法がやや短いが、いずれも鎬筋【しのぎすじ】がやや中央により、浅い反【そ】りがあることに特色がある。鍛【きた】えは板目肌【いためはだ】流れ、刃文【はもん】は(二)が細直刃【ほそすぐは】を焼き、他は刃文がない。奈良末期から平安時代中期にかけて直刀から弯刀へと変遷する過程のものとして極めて資料的価値が高い。坂上田村麻呂の大刀と伝え、『集古十種』にも所載されている。
大刀〈鎬造/〉
大刀〈鋒両刃造/〉