絵画 / 明
李士達は呉県の人、字を通甫といい仰槐と号した。万暦の間(一五七三~一六一五)に新郭に隠退したという。本図は年記を欠くが、彼の遺作の多くが万暦の後半に集中していることからおそらくこの頃の制作になるものと思われる。その重厚かつ意想の豊かな表現、的確な描写なかんずく写生的な竹林の描写には新鮮な味わいがあり、彼の代表作に推しうるとともに李士達の画系や明末山水画の様式展開を考える上で重要な一作といえる。
紙本墨画淡彩山水図〈李士達筆/万暦四十六年の年記がある〉
李士達
絹本著色竹塘宿雁図
騎驢尋梅図扇面
李士達筆