紅白段花筏模様唐織 こうはくだんはないかだもようからおり

染織 能楽 / 江戸

  • 江戸中期・18世紀
  • 丈148.5 裄74.0
  • 1領
  • 渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂
  • 収蔵品番号 NS31
  • 独立行政法人日本芸術文化振興会
  • 未指定

 紅と白の段替り地に、色緯で桜と筏を散らした豪華な唐織。花筏の意匠は、吉野川に散った桜の花弁が連なって流れる様子を、文字どおりに花と筏で表したもので、桃山から江戸時代の工芸品に多く見られる。特に豊臣秀吉の正室北政所が秀吉の菩提を弔うために建立した京都高台寺の霊屋内部の装飾はその代表ともいえるもので、高台寺蒔絵として有名。ここには花筏と雅楽器が蒔絵され、吉野天人の舞楽を表すものと考えられている。小鼓に花筏蒔絵が多いのも、能〈吉野天人〉にちなんだためであろう。
 附属する畳紙の墨書に「池田侯傳来/唐織花筏染別能衣裳」とあり、大正8年(1919)に岡山後楽園で行われた「第二回池田侯爵家御蔵品入札」の売立目録に図版も掲載され、備前国岡山藩主池田家の伝来品であることが明らかな資料である。


【参考文献】田中淑江「国立能楽堂蔵「紅白段花筏模様唐織」の修理報告及び一考察」『国立能楽堂調査研究』vol.4 2010年

紅白段花筏模様唐織 こうはくだんはないかだもようからおり

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