市原では、アラジョライ(新精霊【あらしょうりょう】)供養のためのハモハ踊と口説【くどき】による踊りが踊られている。ハモハ踊は新仏【あらぼとけ】供養としての盆踊の姿を残し、所作には古風さがうかがわれ、さらに近世期に流行した口説による踊りをあわせて伝承する点に特色がある。
市原では、8月16日の晩、アラジョライ(新精霊)供養のための百万遍念仏を行った後、盆踊が踊られている。踊りには、アラジョライ供養のためのハモハ踊と、近世期に流行した口説による踊りがある。口説による踊りは「てっせん」と総称され、市原では「鉄扇」の字をあてている。
ハモハ踊は、アラジョライの家族が戒名を記した経木を帯の背中側に挿し、音頭取【おんどとり】の歌と鉦【かね】、太鼓打ちによる太鼓にあわせて踊られる。「アーハー、ハーハーハー、ハーモーハーモハーミダー、ホーイ」の歌詞にあわせ、両手を前後にブラブラさせて、歩くように踊る。単純な所作の繰り返しには古風さがうかがわれ、さらに、近世期に流行した口説による鉄扇があわせて伝承されている。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)