花巻市大迫町の大償(おおつぐない)・岳(たけ)の2地区に伝承される神楽で、もと早池峰山を霊山として信仰した山伏によって演じられた。明治以降、一般の人々が伝承するようになり、現在では早池峰神社の8月1日の祭礼などに演じられる。
神楽は、まず一定の決められた演目を演じることになっており、これを式舞という。式舞には「鳥舞」「翁舞」「三番叟」「八幡舞」「山の神舞」「岩戸開」の6曲がある。式舞の後は、神舞、荒舞、番楽舞、女舞、狂言が演じられる。これらすべての舞の最後には、権現様と呼ばれる獅子頭による「権現舞」が舞われている。
早池峰神楽は、室町時代に能が大成する以前の姿をうかがわせるなど特色がある。