川越氷川祭の山車行事は、氷川神社の例大祭に行われる行事で、氏子の旧町内から多数の山車が曳き出される。行事にあたって神社では氏子町内に里宮を設け、一般の氏子や各町の山車の参拝を受ける。山車は、台車の上に二層の櫓を組み、中心を貫く一本の柱に大型の人形を載せた江戸型山車とされるもので、山車の上で囃子のほか、舞や神楽も行われる。初日は、山車の町内巡行と神社の参拝があり、2日目は、山車の曳き回しがある。
山車など山・鉾・屋台の行事が中心となる祭りは、日本の各地で伝承され様々な展開をしてきた。この行事は、天下祭といわれた江戸の山王祭、神田祭の影響を受けながら発展したもので、江戸型山車の巡行と、山車に舞を伴うお囃子が乗ることに地域的な特色がみられる。我が国の都市祭礼の変遷を知る上で重要であり、全国的な比較の観点からも重要な行事である。