山王曼荼羅舎利厨子 さんのうまんだらしゃりずし

工芸品 漆工 / 南北朝 室町

  • 奈良県
  • 南北朝~室町 / 14~15世紀
  • 木造、黒漆塗。前後に両開式の扉を設けた宮殿形厨子。基壇は二段框とし、各段の区に朱漆を塗る。四隅に金銅製素文の八双金具を打つ。屋蓋は、照り起りの強い四方形で、四隅に八双金具を打つ。両開式の扉は、それぞれ上下二カ所に蝶番を鋲留めし、両扉合わせ目中央に金銅製の花形懸け金具を打つ。軸部内部にはめ込まれた中板中央には、円窓形の舎利容器を設置し、水晶製の丸い薄板を蓋として金銅製の円環と菊座金具を嵌装する。舎利容器の内部は金銅板で上下二段に区画し、下段には金銅製の蓮華座を据えて仏舎利を数粒納入する。
     舎利容器を中心に八葉蓮華を表し、各花弁に仏、菩薩、天部などを極彩色で表す。表の八葉蓮華には、釈迦如来、千手観音、薬師如来、地蔵菩薩、文珠菩薩、十一面観音、阿弥陀如来、普賢菩薩を拝知る。背面の八葉蓮華には、聖観音、胎蔵界大日如来、如意輪観音、摩利支天、吉祥天、弁財天、虚空蔵菩薩、金剛会大日如来の各尊像を表している。
    両開式扉には、表側右に天台大師、左に伝教大師、背面扉の右に慈覚大師、左に慈恵大師が描かれる。
  • 総高22.7㎝ 基壇高2.7㎝ 基壇幅19.0㎝
    軸部高16.0㎝ 軸部幅14.7㎝
    屋蓋高4.0㎝ 屋蓋幅19.2㎝
  • 1基
  • 奈良国立博物館 奈良県奈良市登大路町50
  • 重文指定年月日:20110627
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宗教法人聖衆来迎寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

木製黒漆塗の宮殿形舎利厨子で、正背面の内壁に八葉蓮華による本地仏曼荼羅を表し、中央には円窓を設け、舎利数粒を納めている。正背面の両開式扉の内側には、天台の四祖師像を表し、内壁の八葉蓮華各花弁ごとに描かれた仏、菩薩、明王などによって日吉山王二十一社を表している。本厨子は、日吉山王信仰と釈迦、舎利信仰のあり方を知る上で貴重である。

山王曼荼羅舎利厨子

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