木造十一面観音菩薩立像
もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつぞう
彫刻 木像 / 室町
- 岩手県
-
室町
- 用材はカヤとみられる(目視による)。素地(きじ)仕上げ。
頭上面を10面戴く、2目2臂の十一面観音菩薩立像。左腕は屈臂し、腹前で第1指及び第3指を捻じて、水瓶を執る。右腕は垂下し大腿部前で掌を前方に向け第1指及び第3指を捻ずる。足を開き、方座に直立する。
髻の頂上に仏面、中段に頭上面3面、地髪部に化仏と頭上面7面を配する。髻は単髻で前面を三角形にまとめる。仏面は胸まであらわし、髻と一体化して胸前で両手を着衣でくるみ拱手する如来形像(上半身)となる。頭上面は菩薩面と解されるものが5面、同じく瞋怒面が4面、大笑面が1面。配置は、中段が正面から時計回りに菩薩面、瞋怒面、瞋怒面、地髪部が同じく化仏、菩薩面、菩薩面、菩薩面、大笑面(後頭部)、菩薩面、瞋怒面、瞋怒面となる。頭髪は髻及び天冠台下を疎彫りとして毛筋目をあらわし、天冠台上の地髪部を平彫りとする。鬢髪2条が耳をわたる。天冠台は紐2本と列弁からなり、正面に雲形と16弁菊座、両耳上に円座をあしらう。
白毫相。二重瞼。眼瞼は上下ともうねりを伴う。眉と髭を墨描であらわす。耳朶は紐状で貫通せず。三道をあらわす。頂上仏面及び頭上面も概ね本面と同様で、この他に、頂上仏面は肉髻珠をあらわし地髪部を左右に分け、頭上面は半花形の宝冠を戴く。着衣は、上半身に条帛と天衣を懸け、下半身に裙と腰布をまとう。装身具は、胸飾、臂釧、腕釧を着ける。胸飾は二度波打つ概形で、上から列弁、紐、連珠、紐、列弁で構成され、正面に円座をあしらう。円座は外から列弁または連珠、紐2本、珠からなる。臂釧は紐、連珠、紐からなり、体側に円座をあしらう。円座に副帯1条が付き、副帯が腕をめぐり、その両端が外側に垂下する。腕釧は列弁、紐2本、列弁からなる。
- 像 高 325.2(1丈7寸3分)
はつ髪さい際こう高 279.3(9尺2寸1分)
- 1軀
- 岩手県陸前高田市小友町字上の坊26-2
- 岩手県指定
指定年月日:20151106
- 宗教法人常膳寺
- 有形文化財(美術工芸品)