建造物 宗教建築
大雄寺は,黒羽城跡の所在する丘陵上に位置する曹洞宗寺院で,藩主大関家の菩提寺として庇護を受け,江戸中期から末期にかけて境内が整えられた。茅葺屋根の本堂や庫裏は,規模が大きく,平面形式などに古式をよく継承し,質も高い。また本堂の正面に総門を構え,禅堂とともに諸堂を廻廊で繋ぐという構成は,曹洞宗寺院伽藍の一類型を示している。地方小藩の菩提寺としての様態をよく伝えており,我が国の近世曹洞宗寺院伽藍の展開を理解する上で,高い価値を有している。
大雄寺 総門
大雄寺 禅堂
大雄寺 南西廻廊