自画像
Self-portrait
1921年
北海道立三岸好太郎美術館[D-156]
三岸好太郎が札幌第一中学校(現・札幌南高校)を卒業し、画家を志して上京する直前の1921(大正10)年、17歳の時に描かれた自画像である。振り向きざまにこちらを睥睨(へいげい)する不敵な表情。画家として立とうとする青年三岸の強い気迫と自負が、墨による力強い描線であますところなくとらえられている。生涯を通じて数多くの人物像を描いた三岸だが、自画像はほとんど残していない。この作品は、画家としての出発点に際して自らの覚悟を確かめようとした三岸の精神の自画像であるといってもよいだろう。