版画 木版画 / 昭和以降
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谷中安規
(1897-1946)
- たになかやすのり
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1934年
- 紙・木版
- 10.1×11.7
ひろげられた巻物から飛び立とうとする蝶。後光のある女性は、生きとし生けるものをやさしく育む母の象徴のようにも見えます。谷中安規は、明治末の自画・自刻・自摺の制作によって自由な表現をうたった創作版画運動の流れをくむ版画家の中でも、独自の幻想世界を表現した、とりわけ個性的な作家として知られています。時には奇怪で、時には無垢なやさしさ、あたたかさを伴って、原始と文明が入り交じり、この世とあの世を自在に行き来するような自由な幻想世界が繰り広げられています。