出雲国山陰道跡 いずものくにさんいんどうあと

史跡 その他 / 弥生

  • 島根県
  • 奈良
  • 島根県出雲市
  • 指定年月日:20180213
    管理団体名:
  • 史跡名勝天然記念物

山陰道は,7世紀後半から8世紀にかけて古代国家が都を起点に全国に張りめぐらせた七道駅(しちどうえき)路(ろ)の一つである。『出雲国風土記』では「正西道(まにしのみち)」と記されている。発掘調査などにより,尾根上を東西に約1kmにわたって延びる道路遺構を確認し,今回はこのうち西側  650mを指定する。道路遺構は地形によって工法を変えており,尾根上を通過する部分では両側に側溝をもち,その心々間距離は9mに及ぶ。丘陵斜面を通過する部分では,斜面を切り崩し,その土を北側の谷部へ最大3m以上の厚さで盛って路面を構築しており,切り土部分との比高は8mに及び,5m以上の幅をもった路面を造りだしている。
路面等から7世紀後半以降の須恵器や7世紀末から8世紀前半の土師器が出土したことから,この道路遺構は遅くとも8世紀前半には機能していたことが判明した。検出地点が山陰道の推定路線上にあたること,道路幅が古代官道の規模と同様であること,出土遺物の時期などから,この道路遺構が山陰道跡であることが確実となった。
古代に作道された道路跡が延長1kmにわたって良好な状態で保存されており,地形に応じて様々な工法がとられるなど当時の土木技術を知ることができるだけでなく,その路線の一部が確定したことにより,『出雲国風土記』にみえる当時の道路網や沿線の官衙,寺院などの施設と照合することができる事例として重要である。

出雲国山陰道跡

ページトップへ