本件は、静岡県静岡市清水区由比北田にある津島神社の祭りで、毎年7月第三土曜日に行われる。天王船と呼ばれる大きな麦藁船を担いで地区内を練り歩き、災厄とともに海に送る天王信仰系統の船流しの行事である。
天王船は、麦藁と竹を主材料として作られた長さ4メートルほどの船で、中央に大きな帆を立て、御幣と榊、提灯などをつけて、地区の男性たちが担いで地区内をまわる。船を担いだ一行が来ると、家々では門口に出て迎え、宮総代が御幣で祓って歩き、また、各家が用意し、災厄を託したオスガタと呼ばれる紙製の人形を船につける。
天王船は、地区内をまわり終えると由比川の河口から浜に出て、松明を差してから担ぎ手の男性たちと共に海に入り、沖に向けて流し出される。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)