平田氏庭園 ひらたしていえん

名勝 庭園 / 明治 大正 江戸 昭和以降

  • 福岡県
  • 明治
  • 福岡県小郡市
  • 登録年月日:20180213
    管理団体名:
  • 登録記念物

平田氏庭園は筑後川支流の宝満川の右岸,小郡市の中心部に位置する。平田氏は江戸時代から小郡に居住し,明治以降,木蝋業や金融業で財を成した。
 庭園は,昭和初期には現在の形に整備されていたと考えられ,作庭は佐賀県鳥栖市の庭師松尾仙六(せんろく)(1889-1961)の手による。
 南北に細長い庭園の東西南北には,主屋,客殿,新座敷,座敷などの建物が建つ。座敷の縁先付近からは,緩やかに流れが伸び,園池に接続する。流れが園池へと注ぐ部分の上には太鼓橋が架かり,その向こうには園池と巨大な滝石組が見える。滝石組は幅が約8m,高さが約4mあり,複数の巨岩から構成されている。用いられている巨岩は,運搬のために細かく分割され,当地で元のようにつなぎ合わされたものである。ほかにも随所に大ぶりの景石を配し,南北方向と東西方向に飛石が打たれている。植栽はマキを中心に他にマツ類,モミジ類などを配する。
 平田氏庭園は建物を含む空間構成がよく保存されており,九州地方の造園文化の発展に寄与した意義深い事例と言える。

平田氏庭園

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