ロッソは周囲の空間と一体化するような作品を目指した。本作でも、はっきりとした線や面の使用による周囲の空間との区切りを避け、対象の形を不明確な状態にとどめている。市井の女の気配すら消したような、静けさに充ちている。なお、ふくやま美術館に同名異作がある。
[主な文献]
Mostra di Medardo Rosso[cat.exp.], Milano: Societa per le belle arti ed esposizione permanente, 1979, Cat.13-b.
愛媛県美術館編『愛媛県美術館所蔵作品選』、愛媛県美術館、1998年、Cat.no.10。
武田信孝「アートの散歩道 県美術館から㉝ メダルド・ロッソ「門番の女」」、『朝日新聞』愛媛版、2005年12月3日、33頁。
愛媛県美術館編『愛媛県美術館所蔵作品集』、愛媛県美術館友の会、2010年、No.142。