C. B. バーナード(Charles Burton Bernard 1853-1947)はイギリスのサマーセット州ラングポートで生まれ、ロンドンで育ちました。明治8年に商社の茶部門担当者として横浜に来航。同16年に独立し、日本茶の輸出を手がけて成功をおさめています。外国人たちの社交クラブや劇場の運営に貢献し、風刺漫画雑誌『ジャパン・パンチ』で知られる画家のチャールズ・ワーグマンとも親交を結びました。
当館は、居留地とその周辺の風景を描いたバーナードの水彩画を、合わせて5点収蔵しています。直筆(じきひつ)で「1878」と記したものが4点、「1877」が1点である。これらの年は、バーナードが神戸居留地26番のブラウン商会につとめていた時期とほぼ重なることなどから、史料的な価値も高いといえます。バーナードは戦時中も日本に留まり、昭和22年(1947)4月に93才で死去。千代夫人とともに横浜外国人墓地に眠ります。
【近代の神戸】