古今和歌集は、延喜5年(905年)に醍醐天皇の勅命によって、紀伴則・紀貫之・凡河内躬恒・壬生忠峯の4人の撰者が、万葉集に未掲載の古歌や当時の新歌など1500首を集めて編集した歌集で、勅撰集の第1号である。成立説も延喜8年(908年)から翌9年(909年)説と延喜13年(913年)から翌14年(914年)説があり、異本も多い。本書は2帖からなり、春夏秋冬・賀・離別・覊旅・物名・恋・哀傷・雑・雑体に分類され、収められている。
歌学者の藤原清輔が書写した「清輔本」を、更に鎌倉時代の歌人源家長が建仁元年(1201年)に筆写したものとされる。広く流布した「定家本」とは内容が異なる。
なお表紙には、雲形に金銀砂子を散らした綴葉装仕立てで、雲母引きの紙に平仮名まじりの和歌が書かれ、平安時代の優美さ、繊細さに溢れた歌集である。