宝城坊の庫裡(くり)と本堂の中間、鐘楼(しょうろう)のそばに2本の杉が約4mを隔てて南北に並ぶ。いずれも大木で、南側の杉は高さ約39m、北側はやや小さく約34mである。2本とも枝を大きく広げて直立し、樹勢も盛んである。樹齢は約820年と推定されている。二本とも幹は直立し、枝葉ともよく茂っていて樹勢は良好である。
「新編相模国風土記稿」によると、南北朝時代の貞治3(1364)年、関東公方の足利基氏が寄進した「宝城坊の錦幡(にしきばん)」(県指定重要文化財)をこの杉に掲げたとされている。また、幡(ばん)を掛けた杉であることから、「幡かけ杉」とも呼ばれている。