絵変わり蒔絵梅形銘々皿 えがわりまきえうめがためいめいざら

工芸品 漆工 / 昭和以降

  • 山崎立山  (1895~1969)
  • やまざきりつざん
  • 富山県高岡市
  • 昭和期(戦後)
  • 木,漆・蒔絵,彩漆
  • 大:径32.5cm×高5.8cm
    小:径15.7cm×高2.5cm
  • 6客
  • 富山県高岡市古城1-5
  • 資料番号 3-03-02-33
  • 高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

高岡市定塚町出身の漆芸家・山崎立山の銘々皿(菓子器の一種)である。
皿には大・小2種類の大きさがあり、それぞれ円形の木地を5枚組み合わせるように梅形に象られ、高岡独特のうるみ色の漆の素地に花模様や幾何学模様、家屋の模様など、それぞれ異なる図案(絵変わり)が蒔絵や彩漆で描かれている。未使用。
 本資料には共箱が付属しており、蓋表には「御菓子器」と墨書され、「きん藤/漆器店/謹製」と販売元の朱印がある。蓋裏には「山崎立山作」と墨書され、印章(朱文方印「山崎/立山」)がある。箱側面には販売元のラベル「謹製/きん藤漆器店/東京市/日本橋区通弐丁目」が貼られている。


山崎 立山〔生没年:明治28年(1895)8月10日~昭和44年(1969)9月4日〕
 漆芸家。高岡市定塚町に生まれる。本名・武雄。明治45年(1912)富山県立工芸学校漆工科を中退して上京、井上呉山に師事し蒔絵を習得して独立した。呉山没後は、六角紫水(芸術院会員)の指導を受ける。昭和14年(1939)以来、没するまでの約30年間に、文展・日展を中心に活躍し、昭和22年(1947)と同28年にそれぞれ特選を受賞した。
 立山の蒔絵はその精緻な技巧に加え、白漆や各種彩漆を巧みに利用し、主題も古典から現代的なものまで確かな技法を用いて表現し、日展審査員や日展会員としても活躍した。
 戦後は、高岡へ帰郷したのを機に請われて昭和21年には高岡美術工芸義塾講師、同24年には高岡市立塗装指導所長として約12年間にわたって後進作家の育成と業界の指導に貢献した。昭和40年(1965)には北日本新聞文化賞を受賞したのをはじめ、高岡市民功労(昭和36年)・富山県民功労表彰なども受け、漆芸会に足跡を遺した。享年74。

<参考文献>
・『高岡三代名作美術展』(高岡市立美術館・高岡市立博物館、1989年)
・『富山大百科事典 下巻』(北日本新聞社、1994年)

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