大山の原生林 おおやまのげんせいりん

天然記念物

  • 神奈川県伊勢原市
  • 大山阿夫利山6-1及び43-6
  • 指定年月日:S41.10.25
  • 大山阿夫利神社
  • 神奈川県指定重要文化財

大山の南東斜面には原生林が存在する。原生林を構成する樹種は針葉樹のモミを中心に、標高340m付近の下部ではアラカシ、ウラジロガシ、アカガシなど常緑のカシ林の構成種を含み、標高800m付近の上部ではツガやブナなどブナ林の構成種を伴い、これらが連続してみられる。県下に最後に残された学術上価値の高い貴重なモミの原生林は、大山付近に限られて生育している。この付近の植生は、今日ではそのほとんどがスギやヒノキの植林地として既に置き替えられており、残存する自然のモミ林は、県内はもとより、全国でも極めて僅かである。大山のモミの原生林は、自然生のスギの高木も混生し、キヨタキシダ、モミジガサ、ミミガタテンナンショウ、オオギカズラなどの林床植生を伴った貴重な自然林である。

また、大山の斜面に発達しているモミ林は、イヌシデ、コナラ、ミズナラ、ヤマモミジなどの夏緑広葉樹も混生しており、季節的変化に対応して、神奈川県下の山地景観の標式的な姿をもっている。

大山の原生林

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